「ソ」系指示詞に関する日中対照研究
——文脈指示用法を中心に副标题
要旨: 古代から現代に至り、指示詞についての問題はいつも検討されている。その上、指示詞の日中対照も一つの問題である。したがって、指示詞の用法と日中対照をよく知るためには、それをさらに研究する必要がある。しかし、指示詞の複雑さを考えると、本研究は文脈指示用法を中心に、「ソ」系指示詞に関する日中対照の研究を行う。日本語と中国語を対照しながら、「ソ」系指示詞に関する日中指示詞の特徴、使い分け方などを探究してみたいと思われる。
キーワード:「ソ」系;指示詞;使用方法;日中対照;
一、文献综述
昔から、指示詞についての問題はいつも検討されている。金水敏と田窪行則は「指示詞の研究史というと、佐久間鼎の研究から語り始めるのがほぼ常識となっている。」と報告している。鰻丼綾希は「指示語の研究は、佐久間(1936)を始めとして、従来コソアの使い分けと体系化に重点が置かれて研究されている。」と述べている。近年も多くの学者はこれについて研究している。
指示語または指示詞とは、話し手のいる地点と状況を基づいてものを指し示す機能を持つ語であり、特に代名詞や限定詞として用いられるものであると定義されている。指示詞が簡単そうであるが、実は微妙な区別がある。指示詞の使用方法が多様で、使用機能が豊富で、会話と文学作品など多くの分野に用いられている。今までの研究にとって、指示詞はコ系、ソ系、ア系、ド系に分類されている。指示詞の用法から見ると、指示詞は現場指示、文脈指示に分類されている。吉本啓は「現場指示とは指示物の同定が外界または出来事記憶にもとづいて行われる場合である。文脈指示とは指示物の同定が談話記憶にもとづいて行われる場合である。文脈指示は普通の定義では文脈中に先行詞(すなわち、指示詞と同一の指示物を指示する言語形式)が存在する場合とされる。」と述べている。近年、多くの研究が進むにつれて、コソアの現場指示及び文脈指示の両用法についてその使い分けの条件、文脈指示と現場指示の深い関係を次第に明確になている。吉本啓は「コとアの文脈指示用法は少なくとも現場指示用法としての性格を非常に強く持っている。ソについてはそこまで断定できないが、無標的あるいは中心的な指示として文脈指示・現場指示両用法の間に関連があることを指摘した。」と報告している。「ソ」系の場合は少し違う。呉芳は「ソ系指示詞の現場指示用法と文脈指示用法の関係を総体に分析し、現場指示におけるソ系指示詞は話し手と聞き手の立場によって、「対立型」と「融合型」に分ける。現場指示用法は指示詞カテゴリーのプロトタイプとして類似性の拡張によって、文脈指示用法を産出した。現場対立型の場合、ソ系指示詞は相手領域を指示する、その用法は類似性の拡張によって、文脈指示のソ系指示詞は話し相手が持ち出した内容を指示し、現場融合型の場合、ソ系指示詞は中距離を指示し、その用法も類似性の拡張によって、文脈指示の場合、ソ系指示詞は指示対象を自分に関わり弱いものとして平静に指示する。」と述べている。しかしながら、指示詞の複雑さを考えると、本研究は文脈指示用法を中心に、「ソ」系指示詞に関する研究を行う。
その上に、指示詞の日中対照も一つの問題である。「コ」はただ「这」に対訳ではならず、「ソ」もただ「那」に対訳ではない。コンテストにもとづき、「这」、「那」と具体的な内容に対訳する場合もある。路玉昌は「さらに日本語指示詞コソアへの対応と 関連して、中国語の指示詞“这”“那”の文脈指示における使い分けとその要因を再考した。その過程で日本語指示詞を中国語へ、中国語のそれを日本語に訳す場合、指示語の省略が多く見られた。省略する場合の文の構造的な特徴等の研究は、日本人学習者を対象にした中国語教育あるいは中国人学習者を対象にした日本語教育にとって、また重要である 。」と述べている。したがって、指示詞の日中対照をよく知るためには、それをさらに研究する必要がある。
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