ちょっとについての考察
摘要:日本語では、「ちょっと」という副詞がさまざまな場面で使用されている。筆者は日本で留学している間、「ちょっと」が頻繁に日本人のコミュニケーションに使用されている点に気づいた。知らずうちに、自分も「ちょっと」を愛用するようになった。言葉の窮屈に困っている際、「それはちょっとね」、「うん、ちょっと」を口に出すことが多かった。しかし、未だに日本語を熟練に使用することが出来ない私には、常に「ちょっと」を使い間違えたかと悩んでいた。そこで、コミュニケーションがうまく進行できるように、「ちょっと」の意味と頻繁な「ちょっと」を生み出した日本文化を考察したいと考えている。
关键词:多義性 曖昧 ポライトネス 配慮
一、文献综述
まず、国語辞典から、「ちょっと」の意味をまとめると、①数量・時間・程度がわずか②(全部ではないが)ある程度の意味③軽い気持ちで行うときの言いさし④一定の基準を超えたかなりの程度・分量である⑤呼びかけ⑥「ちょっと~ませんか」を用いて勧誘表現になる、の6つになる。
また、岡本 佐智子 , 斎藤 シゲミは「ちょっと」のコミュニケーション機能について次のようにまとめた。① 依頼や、希求、指示行為の負担をやわらげる。② 否定的内容の前置き。③ 断りを受けやすくする④ 呼びかけ。⑤ とがめ。⑥ 間つなぎの6つになる。これらのコミュニケーション機能を支えているのは「ちょっと」の意味根幹である「少し」を用いることによって、文内容を軽減し、婉曲的な表現にすり換えられる働きがあることであろう。これはポライトネスの視点から、岡本ら(2003)が述べているように、「ちょっと」には聞き手と話し手の双方のフェイスを守るコミュニケーション機能があることと重なる。
日本語学習者が知っているように、日本語は曖昧な言語であり、「ちょっと」は一つ代表的な曖昧な日本語として、その自身の曖昧性も各学者に指摘されている。マスデン, 眞理子は次のように述べた。「ちょっと」は敬遠の意味することもあるため、相手や場面のわきまえなく「ちょっと」を多用すると否定的印象を与えかねない。また、マスデン, 眞理子は日本人に対するアンケート調査を通じて、「ちょっと」という言葉がもたらした不快感の原因を分析した。理由を率直に言わないため相手との距離を置くことになり、言われる側は「遠ざけられた」不快と感じることがあるなどの理由が挙げられた。「ちょっと」が万能な断り表現として、相手に配慮した思いやりを表す一方、言いにくいことを避ける「逃げのちょっと」という用法もあると考えられた。
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